久留米大学医学部 内科学講座腎臓内科部門

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研究室LABORATORY

研究室

研究室部門では深水教授の指導の下、また平成20年度より新設された糖尿病性血管合併症病態治療学講座と共同し、①慢性腎臓病(CKD)の進展機序の解明、②CKDで多発する心血管病(CVD)の発症機序の解明とその予防法の確立、③糖尿病性腎症の発症進展機序のメカニズム解明とその阻止を大きなテーマとして日々研究に励んでいます。


近年、CKD患者の増加に伴う透析導入患者数が急増しており、社会的、経済的にも問題となってきています。その中でも糖尿病三大合併症の一つである糖尿病性腎症患者の増加は著しく、現在透析導入患者の原疾患の第一位が糖尿病性腎症によるものであり、今後も増加し続けるものと考えられます。私達は、このようなCKD患者をどのように治療していくべきかを臨床、研究の面から探求しています。現在大学院生3名、助教5名、准教授1名が研究に従事しています。

1.CKDの新たな治療戦略

近年、生体内において一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)阻害物質asymmetric dimethylarginin(ADMA)が産生されることが明らかになり、血管保護的に働くNOの産生不全を介して、循環調節の異常や大血管障害を惹起することがわかってきました。このADMAはCKD患者血中に特に高濃度で存在しており、新たな尿毒症物質として認知されてきました。実際、このADMAが高い程、動脈硬化が強く、またCVDの発症率が高く、生命予後が悪いことが多数の疫学研究により明らかにされました。


最近我々は、このADMAが高いことが大血管合併症のみならず、腎臓内の血管内皮機能障害を引き起こすことで、腎障害や尿蛋白を増悪させることなどを明らかにしてきました。したがって、ADMAを制御することができたならば、血管内皮機能を改善することによりCKDの進展のみならず、CKDで多発するCVDの発症を予防する新しい治療戦略になりうると考え、ADMAを標的とした研究を継続しております。

2.糖尿病性腎症の発症進展阻止のメカニズム解明

糖尿病性腎症の発症進展は前述にも述べたように、社会的、経済的にも重大な問題になってきており、早急に阻止する新たな治療の開発が望まれています。高血糖、血圧の是正が重要であることは周知の事実ですが、我々は酸化ストレスの産生に重要な役割を担っている糖化最終産物:advanced glycation end products (AGEs)がその発症進展に重要であることに着目し研究を行っています。


すでに我々はメサンギウム細胞を使用した実験系ではAGE-RAS (renin-angiotensin system)のinteractionが糖尿病性腎症発症進展に重要であることを一早く報告致しました。さらに、糖尿病性腎症の新たな進展物質を特定し、現在そのノックアウトマウスを使用し、糖尿病由来の腎障害が改善しうるかを検証中です。これらが証明されることにより、今後新たな糖尿病治療薬として発展していく可能性も有り、さらなる検討を重ねています。

3.腹膜透析患者における硬化性腹膜炎発症メカニズムの解明

腹膜透析患者の腹膜機能低下は患者の予後を規定する重要な因子であり、これらのメカニズムを解明し、予防することが現在急務の課題となっています。グルコースを含む種々の因子に暴露されることにより、腹膜中皮細胞下の間質、血管の変化、細胞自身の変性、脱落、基底膜の肥厚を来たしてくることが最近の研究で解明されてきていますが、未だ完全に予防するまでには至っていません。これからも腹膜透析のニーズは増えてくることが予想され、動物実験、細胞培養実験にて発症メカニズムの解明と治療への応用をめざすと同時に、臨床研究にも力を入れて行きたいと思います。

実績集

実績集

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学会

・国際腎臓学会
・アメリカ腎臓病学会
・ヨーロッパ腎臓病学会
・ヨーロッパ糖尿病学会
・国際ADMA学会

・日本腎臓学会学術総会
・日本透析医学会学術集会総会
・日本腎臓学会西部学術大会
・日本糖尿病学会学術総会
・日本循環器学会学術総会
・日本内科学会学術総会
・日本高血圧学会
・糖尿病性腎症研究会